
神武會 代表
青木 太

昔から打撃系の格闘技が好き
ーー空手を始められたのはいつからですか?
25歳くらいの頃からです。ただ、格闘技全体の歴で言えばもっと長くて。元々中学〜高校の頃ボクシングをしていたりと、格闘技は元々好きだったんです。
空手を始めたのは、私が東京から宮崎に帰ってきた頃です。
ちょうどその頃、空手をやっている知り合いが、ある時、別の道場のすごい実力者の方と組手をして、強烈な蹴りを頭にもらって搬送されたことがあったんです。知り合いは目覚めた後、その実力者の方に空手を教わったんですが、その時私も誘われたのがきっかけで空手を始めました。
それからずっと稽古に打ち込み、現在私は空手とキックボクシングの道場「神武會」を開くまでに至りました。ですので空手を初めてから26〜7年は経っていますね。

ーーまさに格闘技漬けの半生ですね。それでは神武會を立ち上げたきっかけを教えてください。
元々空手が大好きな自分ですが、キックボクシングもやりたいと思って、始めたのが理由です。先ほどもお話しした通り、昔からボクシングをやっていたこともあって、打撃系の格闘技全般が好きでした。
その思いが高じて次第に「自分で考えたことを教えていきたい」とか、更に「格闘技イベントを開きたい」と考えた結果が神武會の立ち上げにつながったと思います。
――青木先生は長く空手をされていますが、空手の魅力はどんなところですか?
何なんでしょうね…。自分は昔から飽きやすい性格ですが、空手だけはずっと続いてる。空手の何に惹きつけられているのか、実はいまだによくわかっていないんです。あえて言えば『面白い』(笑)。
――ちなみに、試合を観るのと自分が闘うのとではどちらが好きですか?
うーん、観る方が好きですかね。もちろん自分が闘うのも好きですが、観る方は疲れない。
(一同笑い)
ただ、打撃系の格闘技が好きという気持ちはずっと変わらないですね。やっぱり、打撃技がバチーンと決まった瞬間は「おおーっ!」となります。観る側としても、闘う側としても。これは自分にとって他の物事では得られない感覚です。
強くないと、優しくもなれない

ーーなるほど。先生は現役時代を経て現在指導者の立場でいらっしゃいますが、指導の際に意識していることはありますか?
ウチ自体に少年部は無いんですが、私自身が他道場の少年部の子に塾のような形で指導をすることがあります。そんな時常に子供たちに思うのは「優しくなってもらいたい。周りを助けられる人間になってほしい」ということ。ただ強くなるために空手をやるのではなく。
強くないと、優しくもなれないじゃないですか。自分に自信を持って色々なものを受け入れる力があって初めて優しくなれるので。子供たちにはそんなふうになってもらいたい。
確かに空手の勝ち負けは重要です。私自身も試合前、選手に「絶対勝てよ!」とハッパをかけることはありますが、内心ではそこまで重きを置いていません。その子達に将来優しい人間になってもらうことの方がもっと大事だと思いますね。
ーー例えば、いじめが起きている場で声をかけるとか?
そうそう。誰かがいじめに遭っているとして、そこに「やめろよ」なんて。自分に力がなかったらなかなか言えないじゃないですか。そこで流されず「やめろよ」と言えるようになってほしい。
だから教える子には言ってるんですよ。もし学校でいじめっ子が理不尽を振りかざしてきたら「言え」と。そのために空手をしてるんだから、と。もし向こうが決まりを破ってくるのなら、相手の子が間違いを犯さないように正してやれ、と。
子供だけじゃなく、一般部にも同じようなことを言ってます。
ーーありがとうございます。先生の指導に懸ける想いが強く伝わります。
最近、サバゲーが面白くてたまらない(笑)
ーーでは話題をちょっとフランクな方向にさせてもらって。よろしければ空手にまつわるエピソードを、何か一つお聞かせください。
最近、サバゲーが面白くてたまらないんですよ。
ーーサバイバルゲームですか。確かにこの部屋もすごい数の銃が飾ってありますね。
一年半ほど前から始めました。自分が一から教えた子をチャンピオンにすることを自分自身の夢としていたんですが、ある時少年部の子が優勝しまして。そこで「俺の夢を叶えてくれたから、お前の夢を叶えてやる!」と言いました。するとその子が「サバゲーがしたい」と答えたんです。
ちょうどたまたま私の知り合いにサバゲーマーがいたので連絡を取り、その子と一緒に参加させてもらいました。そうしたら私がハマってしまって(笑)。
ーーそんな経緯が。コレクション数はどれくらいあるんですか?
108挺ほど集めましたね。煩悩の数(笑)。流石に多いと思い、半分ほど手放しまして、今は48挺ほどです。
ーーなるほど。これも一つの空手が繋いだ縁ですね(笑)。

これからの協会は時代に合わせて活動を進めるべき
ーーでは次の質問です。協会に入会した感想をお聞かせください。
私が極真会館と正道会館くらいしか知らなかった頃、ある人に「極真や正道は空手界全体の一部に過ぎない。もっと他にもいろんな道場や流派があって、たくさんの人が空手をやっている。視野をもっと広く持たないといけない」と教えてもらったことがあります。その方に日本実践空手道教育協会へ案内していただき加入して初めて、その言葉の意味を実感しました。その方にもありがたいなという気持ちです。
あと、協会は上下関係がないですよね。みなさん平等な感じで、意見の言いづらさもなく非常に良いです。
そして今後は、協会の中でも更に活発に意見を交わしていった方が良いと思います。野崎塾長(侍道志 格闘塾)も言ってましたが、これからは若い世代に実権を握らせて、時代に合わせた活動を進めていくべきです。塾長世代と若い世代の隙間を私の世代が埋めていけばいい。私もいくらでもお手伝いしていこうと思っています。
ーー最後に、青木先生を一文字で表すと?
自分の名前、「太」ですね。その名前らしくなれたらいいなと思います。細かいことを気にせず、気持ちの面で太く、大きく。歳をとるにつれて自分のことはあまり考えなくなり、代わりに周囲の人たちにとって良いことは何か?を考える気持ちの方が今は大きくなっていますね。
ーー本日はインタビューに応じていただき、ありがとうございました!
